有名進学校の多い首都圏を中心に、中学受験を目指す小学生も多いですよね。
親は小学校3、4年生のうちに子供に私立の中学受験をさせるかどうかの選択をしなくてはならないことが多いです。
でも、そんなこといきなり言われても中学受験の何も知らない状態ではどうしようもありません。
俺の方も最近
- 「中学受験って、どんなメリット、デメリットがあるの?」
- 「子供が私立中学に行きたいって言ってるんだけど、どうなの?」
という質問を多数いただくようになりました。多くの人が悩むポイントなんだなと思いました。
そこで、中学受験について、子供と親にどのようなメリット、デメリットがあるのかを簡単にまとめてみました。
中学受験を考えているお子さん、親御さんなどはぜひ参考にしてみてください!
目次(クリックでジャンプ)
中学受験は珍しいことではない
中学受験とは、ここでは地元の公立中学に行かずに、試験を経て私立校や国立の中学校に進学することをいうことにします。
中学受験というと、お金がかかる、良いトコの家の子供がするというイメージもあるかもしれませんが、今では首都圏の小学生の約15%が私立高を目指して中学受験を受けるそうです。
その理由も、大学受験においてメリットがあるといった最もなものから、制服が可愛いなどの理由で私立にいくという人まで様々です。
「自分は関係ない」と思っていても、突然にお子さんから「中学受験したい」と言われるかもしれませんよ。
ちなみに、俺が大学に入ってびっくりしたのは、「地方では私立高校は受験に落ちた人がいく」というイメージが強かったことです。
都心では、全く逆で、「私立は頭の良い人が行く」というイメージが強かったのでそのあたりにギャップがあります。
子どもから見た中学受験のメリット
それでは、中学受験のメリットを挙げていこうと思います。子供のメリットと親のメリットは区別して別に書いていきます。
まずは、子どもからみた中学受験のメリットです!
- 高校受験をしなくて済む
- 英語の負担が少ない
- 「合格した」という自信がつく
- 勉強の心配をしなくていい
- 学力のレベルが高い(場合が多い)
高校受験がない
子供の1番のメリットとしては、やはり高校受験がなくなることでしょう。
高校受験は中学生活においてかなり負担であることは確かです。
中学校のうちに行きたい高校があれば塾に通うことも必要かもしれませんし、高い内申点が必要であれば美術や音楽などの科目、ボランティアなどにも”内申点を稼ぐために”出たりしなければならないかもしれません。
また、高校受験のために部活を早くに辞めてしまう人も一定数います。
そんな高校受験がないとなると、とてもお得のように感じます。特に
- 高校受験のための勉強ではなく、勉強のために勉強できること
- 部活や課外活動などやりたいことに時間を使えること
は確かなメリットと言えます。
英語の負担が少なくなる
高校受験がないというのは、単純に学力の問題もあります。
小学生のうちは、周りが全然勉強していないので差がつくとすれば、「やった」か「やってないか」と言えます。
また、小学生のうちならば人によって差がつきやすい英語がまだ試験科目ではありません。
なのでやれば受かることが非常に多く、勉強のスタートダッシュをうまく決めることで高校、大学と優秀な成績を収めることもできるようになるのです。
「合格」という満足感
人間、頑張るために大切なのは、頑張って何か成功した、嬉しいことがあったという “成功体験” です。
若いうちにこの成功体験をすることは非常に重要ですが、中学生くらいの子供だと何かを成し遂げたことがあるひとはそんなにいないのではないでしょうか?
しかし、中学受験をすれば確かな成功体験を得ることができます。(もちろん合格したらですが…)
このことは、単に地元の中学に進学するのでは決して得ることはできないでしょう。
ちなみに、俺の周りの京大生で中学受験をしている人が多い気がするのも、この辺りのことが関係しているのではないかと思います。
中高一貫校の出身の人はどこか「すんなりいった」という雰囲気を出している人が多いです。
勉強の面倒見が良い(ことが多い)
私立中学、高校は多くの場合、公立高校よりも勉強の面倒見が良いです。なので学校の勉強のレベルが高く、周りの生徒とともに自然と学力を身につけられることが多いです。
また、皆が受験をくぐり抜けてきた子たちなので授業の進度が早く、大学受験の準備を早くから始められるというメリットもあるでしょう。
すごい私立中学だと、中学のうちに高校の授業まで進んでしまうところが多いです。高校2年生の秋までで全課程を終わらせるところもあるとか…
そして、その後1年間はひたすらに大学受験の過去問をやったりするようです。
なので、やはり進学率は段違いに高い傾向があります。
学生のレベルが高い
中学受験のレベルにもよりますが、一般的に受験して入った中学校はレベルの高い子多いです。
レベルというのは勉学だけでなく、何か一芸に秀でた子や自分を持っている子もです。
たとえば小学校で浮いてしまっていて馴染めなかった子供でも、そういった環境ならのびのびと自分を発揮できます。
そして周りの子供たちに感化されたり刺激を与え合うことができるのです。
そういう(学力や能力的な意味での) 刺激というのは私立中学の方があるような気がしています。
親から見た中学受験のメリット
私立中学に入って欲しい、と親御さんが願っているパターンと、子供が私立中学に入りたいといってきた、というパターンの二種類があるかと思います。
どちらの場合にしろ、親のメリット、デメリットもしっかりと把握しておくことが重要です。
- 安心感がある
- 子どもから手が離せる
- 進学率が良い(場合が多い)
勉強や進路に関して安心感がある
親のメリットとしては何と言っても安心感が1番なのではないでしょうか?
特に地元の学校の評判があまり良くない場合、私立の中学に入ってもらった方が何かと安心なことが多いです。
また、女の子のお子さんをお持ちのかたは、変な虫が寄り付かないというのも(古い表現ですが)メリットではあります。
俺の地元の中学は、割と「ヤンキーみたいな人のいる」ようなところでした。そう言った中学に進学するとなると心配な人もいると思います。
そういう時に、私立中学に進学という選択肢があるのは覚えておきたいところです。
子供から手が離れる
いくら中学生といっても、親が子供にかける時間というのは意外にも多いものです。
特に公立中学の場合、PTAや行事、成績や進路のことなど親が出席、参加しなければならないイベントはたくさんあります。また、高校受験の際には親のサポートというのは絶対に必要です。
それに対して、私立の中学・高校だと色々と面倒を見てくれることが一般的な気がします。
特に共働きの家庭ではそういった時間を取れないという人も多くいます。私立中学は、かかる時間はそれほどでもないことが多いです。
大学進学率が良い
親として考えなければならないのが、子供の大学進学までの進路です。
中学受験をするような中学、高校は大学受験のサポートまでしてくれるところが多いので親としては安心ですよね。
金銭的な面でも、中高が公立校でも浪人して予備校などに入ってしまったら差額は割と少なかったりします。(それでも私立校の方が高いですが…)
この辺りはどの家庭にも事情があると思うので、よく相談しながら決めると良いと思います!
子どもから見た中学受験のデメリット
同じく子供のデメリットから上げていきたいと思います。
- 小学校のうちに勉強しなくてはいけない
- 家から遠いことが多い
- いろんな人に触れる機会が少なくなる
小学生のうちから勉強をしなくてはならない
子供の1番辛いところはここだと思います。高校受験をしなくていいというメリットの一方で、早ければ小学校3、4年生のうちから勉強をしていかなければならないのです。
勉強をすること自体が嫌いではなくても、周りの子供たちが楽しく遊んでいるときに自分だけ勉強をしなければならないというのは本当に辛いものです。
それで勉強が嫌いになってしまっては元も子もありません。
できるだけ疎外感を感じないように周りに同じような友達を見つけたりライバルを探したりしましょう。
この解決方法の1つは、小学校のうちから塾に通うことです。そうすると勉強の友達やライバルができやすくなります。
俺は小学校は何もしていなかったですが、そういう人も結構いたので検討してみてはいかがでしょうか?
家から遠い
私立中学で考えなくてはいけないのが、通学距離です。
いくら中学生とは言え、初めのうちは小学校の延長のようなもの。あまり遠いところまで毎日通うというのはかなりの負担になります。
特に地方の私立はめちゃめちゃ遠かったりします。
その分やりたいことができなかったり、睡眠時間が削られては意味がないと思います。
受験先を決める際には学力や学校の特色だけでなく立地やアクセスもしっかり考えましょう。
多様性がない
地元の中学に進むと、小学校からさらに友達の輪が広がります。そこでいろんな人と出会い、見識が広がったり新しい考え方を身につけることができます。
その点、私立中学は似たような生活背景、趣味の人が集まることが多いです。なので視野が狭くなってしまう可能性があります。
何より、中学受験をした友達は、「男子校(女子校)だったから異性の友人ができなかった」という人が多かったです。そこらへんも考えておいた方がいいと思います。
親から見た中学受験のデメリット
最後に、親からみた中学受験のデメリットです。メリットの裏返しみたいな部分が多いので、それらを天秤にかけてみてください。
- 学費がかなりかかってしまう
- (受験までは) 時間的にも負担がかかる
学費がかさむ
親の考えなければならないことは、まず学費です。
中学受験をするとなると、学費がかさみます。それだけでなく、通学の費用、小学校の塾代など金銭面の負担が増えることは確かです。
高校受験をする金銭負担や、大学進学のための塾代とどちらが多いかと言われれば正直難しいところなので事前にしっかりとした検討が必要です。
時間的にも負担がかかる
中学に入ってしまえば親の手を離れることが多いのですが、小学校のうちの「受験対策」は親が色々としなければいけないことも多いです。
実際には子供の塾の送迎や弁当を作ったりなどお母さんに負担がかかるかもしれません。
また、高校受験とは違って子どもに任せっぱなしというわけにはいかないので受験の情報を集めたり説明会に足を運んだりとかなり忙しくなるかもしれません。
最後に:中学受験の検討は慎重に
以上、中学受験のメリットとデメリットでした。最後まで読んでいただきありがとうございます。
何しろお子さんの将来に関わることなので慎重に、かつ素早く検討したいですよね。
大切なことは、子供の将来のことにお子さんを積極的に参加させ、一緒に話し、お互いの理解を深めることにあると思います。
まだ小学生なんだからと思わずに、子どもに「どうしたいのか」を聞くようにしましょう!
ちなみに、私自身は中学受験をしていません。それどころか、高校2年生まで受験対策を全くせず、朝から晩まで部活をしていました。(詳しくは「プロフィール」に書いています。)
逆に、僕の周りには小学校の時に天才と呼ばれて、中学受験をしたけれど、大学受験ではどこも不合格になり、結局第一志望にいけなかった人が大勢いました。(この記事も、実はその人の協力してもらって書きました。)
中学受験は合格したらそこがゴールなのではなく、スタートだということをぜひ知っておいて欲しいです。