受験において、どの予備校に行くか、ということが非常に大切です。
高校の勉強だけで難関校に合格する人ももちろんいますが、そういう人たちはもともとデキる人だったり、学校のレベルが非常に高い人たちです。
だから、僕もそうだったように、「普通」の人にとって予備校選びはとても重要です。
予備校にも色々あります。その中でもやはり受験生に人気なのは大手予備校です。
駿台予備校、河合塾、東進などテレビCMをやるほど有名なところは、受験の成果をみても優秀であることが多いです。
しかし、「みんなが行っているから!」という理由で塾に行くのはナンセンスです。
なぜその塾に行くといいのか、ということをしっかり考えて行くべきでだと思います。
高校生が、予備校含め塾にいつから通うべきはという記事も書いておりますので、是非ご覧ください!
この記事では
- 大手予備校に行くメリット
- 逆に、個人の塾に行くメリット
- 大手の塾・予備校に行く際に気をつけておいて欲しいこと
を書いていきたいと思います。
ちなみに、僕自身は
- 高校の3年生から予備校に通い始めた
- 現役生の頃は河合塾に、浪人生の頃は駿台予備校に通っていた
という経歴を持っています。個人の塾は、僕が現役時代にお世話になっていた人がやっている塾の様子や、個人経営の塾に行っていた友人の話を参考にしました!
目次(クリックでジャンプ)
そもそも大手予備校とは
日本では、大手予備校として名高いのは3大予備校と呼ばれている駿台・河合・代ゼミです。
- 駿台予備校
- 河合予備校
- 代々木ゼミナール
しかし、代ゼミは2015年に校舎数を大幅に削減したために今では事実上、駿台予備校と河合塾の2強になっています。
ここに東進ハイスクールを含めて新しく3大予備校とすることもあります。
また、四谷学院や早稲田塾、明光義塾なども大手予備校といってもいいと思います。
個人経営の塾について
一方、個人塾というのは、この記事では ”大手ではない” 塾を指しています。
個人経営の塾や個別指導の塾が多いです。地方などに行けばまだまだ有名な個人塾などがたくさんあります。
他にも、医学部専門などの専門性を売りにしている塾も個別な塾と考えておいてください!(あくまでもこの記事でのお話ですが。)
東京の人はどうかわかりませんが、全国的に見ても実は個人系経営の塾に行っている人のほうが多い地域というのはたくさんあります。
僕の友達に聞いたところでは、京都大学に何人も送り込むような地元の塾もあったりするようです!
大手予備校のメリットはけっこうある
では、まずは大手予備校のメリットを紹介していきます。
- 合格実績などが豊富
- 自分たちで行う模試がある
- テキストや先生のレベルは高め
- ライバルが見つかる
- 自習室が良かったり進路の指導が丁寧
確かな経験と合格実績
大手予備校は、何と言っても合格実績があります。例えば、大手予備校3校が発表している2012年の東大合格者数は以下のとおりです。
- 駿台予備校 1235名
- 河合塾 1184名
- 東進 588名
この数字は、講習を受講していただけの生徒や模試を受けた生徒を含んでいたりなどデータの取り方がバラバラですが、それでも多くの合格者を輩出していることがわかります。
第一志望にしている学校の合格者数もカウントしてみてみると、やはり合格者を多く出しているのは大手ではないでしょうか?
こうした数字を出せているということは、やはりレベルの高い授業が行われているということの証です。
大手予備校では受験者の数が多いので単純な比較はできませんが、それでもここは確認しておきたいポイントでもあります。
昔は「文系の河合・理系の駿台」などと呼ばれていましたが今はほぼ同じといっても良いと思うので、自分の行きたい大学で比べてみると良いでしょう。
大きな模試がある
個人の塾では絶対にできないのが、この「模試」です。例えば河合塾の全国模試では、年間で延べ298万人(2015年度実績)が受けています。
これは小さな塾では到底太刀打ちできません。
実際、個別指導の塾やZ会などの通信教育で勉強をしている受験生、さらには学校で勉強しているだけの人たちも大半は大手予備校の模試を受験しています。
多くの生徒が模試を受けているので受験生全体の自分の立ち位置が掴みやすいですし、”昨年や一昨年に〇〇大学に受かった生徒はこの時期にこのくらいの点数だった” というデータがあるので進路の指導もある程度正確に行うことができます。
テキストのレベルが高い
これも大手予備校の特徴ですが、どの予備校も参考書(テキスト)のレベルが高いです。
合格者に話を聞いてみても、勉強で重要視していたのは「予備校のテキスト」という人が圧倒的に多いです。
毎年相当数の人数がこのテキストを使うので入念に作り込まれていますし、毎年傾向が変わったりするのに合わせて何度も何度も手直しがされています。
また、教える側の講師もこれを作った人たちなのでポイントをわかりやすく解説することができます。必然、授業の質も高くなります。
また、それぞれの塾が出版している参考書(河合塾なら河合出版、駿台なら駿台文庫など)も受験参考書としてかなりレベルの高いものとなっています。
受験の参考書を選ぶ1つの目安として考えてみるといいかもしれません。
レベルの高いライバルが見つかる
大手予備校に通っていると、人数が多いために「同じ志望校の人」が必ず出てきます。いわゆるライバルというやつです。
同じ高校に第一志望が同じ人がいないという人はいるかもしれませんが、予備校にライバルがいないという状況はまず考えられません。
このライバルは受験勉強をする上で大変重要です。競い合える相手であり、時として情報を共有する仲間でもあります。
そして、こういう競争相手の多い環境に身をおくということが何より大切です。特に学校に同じようなレベルの人がいないという人は何よりの刺激になるでしょう。
実際、僕も予備校で「絶対に負けたくない!」というライバルを見つけることができて、勉強のやる気がガーンと上がりました。
自習室や進路指導などの環境
大手は資本力が強いので設備などにも力を入れています。特に顕著なのが自習室と進路指導。
まず、自習室は予備校内に自習用のフロアや部屋があることが多く、平日・土日とわず解放しています。ここでは多くの学生が勉強しているのでモチベーションも上がりますし、勉強をする環境としては最高です。
また、赤本や参考書などを置いてある自習室も多く、勉強の効率を最大限高めることができるでしょう。
進路指導では、多くの学生の指導をしてきた経験があるので「どこに合格できそうか」ということを中心にアドバイスをくれたりします。
また、この大学に行きたいなら「いついつまでにこれをしておいたほうが良いよ」という話も聞くことができます。
塾を進路指導に使っている人はそこまで多くはありませんでしたが、僕からみればそれは勿体無いです。
他にも先生に質問したり、TA(ティーチングアシスタント)の人に進路の相談をしたりなどは「使い倒す」つもりでいるといいでしょう。
大手予備校のデメリット
では、大手の予備校や塾ではどのようなデメリットがあるのでしょうか?
- カリキュラムが統一されている
- 個人別で進路サポートとかはあまり丁寧じゃない
- 先生との距離は遠い
カリキュラムが全体で統一されていること
いわゆる大手予備校は、生徒が30~40人くらい教室にいて、先生は1人という講義スタイルが多いです。そうすると、必然的に1人1人にバラバラの教え方をするということはできなくなります。
大手だと、どうしても全体のペースを重視しなくてはならず、生徒数も多いために全体に目が回らなくなることがあります。
これは塾という形態をとる以上仕方がないのかもしれませんが、気をつけておきたい点です。
特に、勉強が苦手な人は”わからないところがわからない” 状態であったり、そもそも基礎ができていないために授業についていけていない状態の人であれば、授業に置いてきぼりにされても全く文句は言えません。そういう人は、個人の塾の方が向いているかもしれませんね。
今では、予備校は「難関私大コース」や「基礎コース」などいくつかのコース分けをしているので「授業にぜんぜんついていけない!」という人は滅多にいないと思いますが、一応気をつけておきましょう。
大手ではなく、個人塾のメリットは逆に1人1人に合わせてオリジナルのカリキュラムを組んでくれる点ですね。
苦手な教科に時間をかけたり、個人の都合で授業時間をずらしたりすることができるフレキシブルさが魅力です。
進度を合わせてもらえると、勉強がだんだんとできるようになるので、一気に勉強ができるようになるケースがあります。
例えばあの「ビリギャル」も個人経営の個別指導塾から慶応大学に合格できましたし、四谷学院の「なんで私が東大に?」も良い例ですね。
親切な進路サポートは望めない(こともある)
大手予備校では、良くも悪くも「いい大学に活かせること」が仕事です。
なので、重要視されるのは「あなたにとってどの大学が一番いいか」ということではなく「いかに偏差値の高い大学に合格させるか」です。
それが割り切れればいいのですが、たまにすれ違いが起きてしまうポイントでもあります。
特に、中学に個人塾などで親身に相談に乗ってもらっていた人が大学受験の時に予備校に入ってしまうと、「冷たい!」と思ってしまうそうです。まぁ、わかりますよね。
個人塾では、授業進度と同じく、進路についても一人ひとり対応してくれるところが多いように感じます。
また、行きたい大学がどうとかよりも、「将来どうなりたいか」のような相談に乗ってもらえるところもあると聞きます。
友人は、可愛や駿台などで受けた模試の結果を持って行って進路の計画などを一緒に立てていたそうです。
もちろん、これは塾によっても異なるので一概には言えませんが、小さな塾のメリットとしては、「親身」がいちばんのポイントだと思います。
講師と二人三脚で頑張るという言葉がぴったりくるくらい丁寧に指導してくれるところもあると聞きます。
こういうところをきっちり割り切れればあなたは大手予備校向きかもしれません。
質問が気軽にできない環境
想像できることかもしれませんが、大手の予備校では先生との距離は少し遠めです。学校の先生のように生活面まで面倒を射てくれたりすることは滅多にありません。
だから、結構質問がしにくい場合が多いです。
もちろん、質問しに行ったら丁寧に答えてくれます。先生は好きで教えている人も多いので、「ここ、わからないんですけど…」と言いにいくと、「おぉ、そうかそうか!」と言ってニコニコしながら教えてくれる人が多かった記憶があります。
勉強に限らず、質問ができる生徒というのは、必ずと言っていいほど成長が早いです。質問は、
- 理解したい! 知りたい!という欲がある、という表れ
- わからないところをなくして次に進むことは重要
なので、大変良いことです。どんどんしましょう。
ですが、質問を積極的にできる生徒というのはなかなかいません。特に大手などの塾は先生の講義形式なのでどうしてもわかりづらいところは聞きにくいです。
その点、小さい塾などは先生の顔が見えているので安心して質問をすることができます。
そこでまた課題をもらったりして、それを提出してというサイクルを繰り返していけば、必ず成績が上がっていきます。
まとめ:予備校に行くならメリットを享受しよう!
以上、僕なりに知っておきたい大手予備校のメリットとデメリットを紹介してみました。
まとめると…
- レベルの高い授業
- ライバルや同じ目標を持つ仲間と競い合える
- 模試や自習室などの学習環境が手にはいる
- 授業スピードが速かったり遅かったりする
- 丁寧な進路指導は望めない
- 先生に質問しにくい
このようにまとめることができると思います。
ともあれ、受験で大切なのが「自分自身がどれだけ頑張れるか」です。
もし、大手の予備校であれば頑張れる!というのならどのようなデメリットがあれ行ってみればいいと思いますし、逆に塾に任せっきりで大丈夫!という人はそもそも塾に行くことから考えたほうがいいと思います。
また、この記事ではあまり触れてませんが、どうしても「金銭面」の話は付き纏います。あまり大手の予備校には行けそうにないという人も中にはいるかもしれません。
そうした人は、しっかりと親と相談して決めるようにしましょう!
オンライン学習という選択肢も
ここまでは、主に予備校やZ会などの通信教育を中心に話してきましたが、例えば
- 「塾が近くにない!」(駅から家が遠い人や離島、相当な田舎の人。)
- 「塾に行かせてもらえない!」
という人に今人気の方法があります。
それは、「スタディサプリ」というオンライン学習サービスです。スタディサプリはリクルートがやっているサービスで、家にいながら動画で授業を受けることができます。
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