俺は京都大学の工学部に所属している現役の京大生です。
この記事では、そんな僕が、「京大に合格するための勉強計画」について語っていきたいと思います!
そんなこと言うと、
と言う人がいるかもしれませんが…
とんでもない!
学校は偏差値でいうと中の上くらい。もう少し具体的にいうと、県で5番目の公立高校の滑り止めとして入ってくる人が多い私立高校でした!
しかも、高校2年生までは部活が放課後練・朝練がそれぞれ(←ここ重要) 週6であって、かなりハードでした…(だから、高1 で勉強した記憶がない…)
だから、この記事の読者として想定しているのは、過去の僕みたいな人です!
隅から隅まで重要なことを言っているので、ぜひじっくりと読んでみてください!
目次(クリックでジャンプ)
京大を目指す人の勉強計画の立て方
まずは、全体的な計画の流れから見ていきたいと思います。
この記事を読んでくれている人が中学生なのか、それとも浪人生なのかでは大きく異なってくると思うのですが、
自分は受験までにどのくらいの期間があるのか?
を思い浮かべながら読み進めてみてください!
全体的な流れは、こうです!
0. 目標を決める (計画を立てる)
1. 暗記
2. 基礎的なことをしっかりとマスターする
———– 第一の壁 ————
3. 練習問題を、数をこなしていく
4. 実践的な(他大の過去問など) を解く
———– 第二の壁 ————
5. 京大の赤本を解く
まぁ、京大も普通の大学と変わらない部分が多いので、いろんなところで聞くような勉強計画とがっつり違うということはありません。
ですが、京大入試には2つの大きな壁が存在します。
それについても、これから説明していきたいと思います!
0. 目標を決める & 計画を立てる
一番最初にやること、それは
目標を立てること
です。
京大には、以下のような学部があります。
- 文学部
- 経済学部
- 法学部
- 教育学部
- 総合人間学部
- 工学部
- 農学部
- 理学部
- 医学部
- 薬学部
これらの学部は、文系と理系に分かれています。また、学部の中にはさらに学科に分かれているものもあります。(ex. 理学部数学科)
文系、理系の中であれば受験科目は同じですが、だいたいどの学部に行きたいなぁというざっくりとした目標のようなものは持っていた方がいいでしょう。
それはどうしてかというと、「モチベーションが違う」からです。
僕は今まで何人か、受験生の勉強を見てきた経験があるのですが、自分の大学生活がイメージできる人ほど、いざという時に頑張れる人が多いような印象を持っています。
また、もう少し即物的なことをいうと、合格最低点や合格者平均点が違うので数値的な目標を立てやすいというのもあります。
併願などの複雑なシステムはおいておいて、「だいたいやりたいことはこれかなぁ…」ということくらいは思えるようにしておきましょう!
志望している学部が後から変わるのは全然O.K. です。むしろやりたいことは後からどんどん増えていくと思います。
なので、今はさくっとイメージで行きたいところを決めちゃいましょう!
そして、それに向けてしっかりと計画を立てていきましょう。
勉強計画は、主に
- 長期(3ヶ月〜半年)
- 中期(2週間〜1ヶ月)
- 短期(1日〜1週間)
の3つを立てると良いのですが、ここからは主に「長期」の計画について紹介していきます。
1. 暗記を徹底的にこなす
いきなりげんなりさせてしまったかもしれませんが、まず大切なことは暗記です。
暗記こそ、至高の教育である。
全ての教育は、暗記から始まる。
こんな言葉が流行るほどに、まず大切なことは暗記なのです。
- 英単語、英熟語
- 英文法
- 古文単語、漢文の句形
- 数学・物理の公式 (最低限で良い)
- 地歴公民
etc…
なぜかというと、(日本の) 受験はやはり「暗記ができているか?」どうかを測る試験だからです。
もし、大人の言う通り「考える力を見ている」んだったら、辞書とかスマホとかを持ち込める形式になってもいいじゃないですか。
まぁ、これは極論で暴論なのですが、半分くらいは事実です。
受験において、暗記が得意かどうか、と言うのは非常に重要なファクターです。(特に文系)
だからこそ、時間があるうちや早いうちから暗記を徹底する。
そして、できれば「暗記のやり方」を練習して、頭に残りやすい勉強というのを自分で確立できるといいと思います!
暗記大事! って書いてあるけど、これは別に「暗記だけできれば合格できます!」ってことではないです。
暗記は最低限だし、これは別に京大に限らずどの受験でも必要なので嫌がらないでやりましょう!
2. 基礎的なことをしっかりマスターしていく
暗記はいつまでたっても「完成」にはならないので、そこそこにできるようになったら先へ進みましょう。
大丈夫、次から次へと覚えることが増えてくるので、「まだ途中だから…」なんて言ってられなくなります。
基礎的なこと、というのは、教科書の基本問題のようなレベルの問題です。
受験では、こうした問題が「解ける、解けない」のレベルで差がつくことはあまりありません。なので、大切なのは「いかに理解しているか、いかに早く解けるか」です。
例えば、数学でいえば基礎的な公式を暗記している、それを使えることは「当たり前」として、それらがどういう定義をしているのか、その公式を証明することはできるか、が大切です。
こうしたことは、意外にも問題集には取り上げられないのですが、京大の受験ではたまに聞かれることがあります。
なので、しっかりと押さえておくようにしましょう。
また、このあたりから徐々に「勉強の体力」をつけていくことも大切です。
第一の壁:”覚悟”
さて、ここで第一の壁にぶつかることになります。
それは…
受験に対する覚悟
です。
正直、教科書レベルの問題を解くのは授業の延長でもできます。少し偏差値の高い高校にいる人なら、学校のテスト勉強で十分というところも多いと思います。
しかし、ここからは文字通り “一人” の戦いになります。
特に、周りに勉強仲間がいない人、学校の偏差値が低い人などは辛い日々が続きます。
僕の学校は、京大はおろかGMARCH にいく人もそこまでいないような高校でした。そのため、勉強をするのは結構周りから “浮く” ことを意味していました。
そうした覚悟が必要になりました。
もちろん、最終的には周りの人はみんな応援してくれましたし、どこの学校でもそうとは限りません。
でも、この第一の壁を超えたら、待つのは「受験戦争」という、どちらが点数が高いかで殴り合う戦場です。
これを超えていく覚悟が… 君にあるか?
と、まぁ盛り上げてきましたが、ぬるっと超えちゃってください、こんな壁。
こんなところで迷っているようなら楽しい青春を謳歌した方がマシです。
3. 参考書をどしどし解いていく
はい、第一の壁を突破した君が次にすることは、問題を解いていくことです。
このフェーズは、普通に問題を解いていくだけなのです!
これが正直、一番辛いかもしれません。
暗記系のものはやればやっただけ点数になりますし、基礎的な問題は確実に「解ける」感覚がついていくので “やっている感” が出るので、モチベーションを保ちやすいです。
ですが、この「参考書をひたすらに解いていく」という作業はなかなか大変なものです。
僕の先生曰く、「ひたすら問題を解いていく、ということができるのは、もはや一種の病気に近い」そうです。
確かに、京大生を見ていると変人というか、多少病的に勉強している人が多いような気がします…
まぁ、覚悟を決めた君なら大丈夫です!
多分、やっているうちになんか楽しくなってきちゃってどんどん進んでいくはずです。
どんな参考書をやったら良いか、というのはあなたの勉強のレベルや受験までの日数によって大きく異なるので、ここでは紹介しません。
それぞれの教科の記事を読んでみてください!
問題集は、基本的には簡単なもの → 難しいもの という風に解いていきましょう。
次のステップに進むには、「過去に入試で出題された問題をまとめたような問題集」をやり終えた or やっている途中 くらいのタイミングをうまく見極めてください!
4. 本格的な受験問題や過去問を解く
さて、過去問が載っているような問題集を解くことができるようになったら、いよいよ過去問と格闘する日々がやってきます!
まずは、併願で受けたり、京大よりも少し優しめの問題を解いてみるといいでしょう。
どのくらいここに力を入れるのかは人によって異なりますが、浪人してでも絶対に京大に行くんだ!という人は、ほどほどにしておいた方がいいでしょう。
なぜなら…
京大の入試は、他の入試問題とは一味違うからです!
なので、おそらく京大の過去問を解いてみて…
という人が一定数出てくると思います。
これが、第二の壁です!
もし、「あれ、他の大学の問題は解けないけど、京大のはスラスラ解けるぞ!」というのであれば、それはラッキーです。京大があなたを呼んでいます!
第二の壁:”京大” の問題のつかめなさ
さて、これが第二の壁です。
第一の難関であった「覚悟」の壁は、気合い次第でなんとかなるのですが、この壁はなかなか高いし、厚い。
んー、これは言葉で伝わるものではないのでぜひ自分で解いてみて欲しいのですが…
英語の試験の問題の定番といえば、以下のようなものです。
- 語彙・文法問題
- 英文和訳
- 和文英訳 (英作文)
- 長文読解 (記号式) × 2
- リスニング
こんな感じで、様々な形式の問題を組み合わせて作られることが多くなっています。
これは、現在の教育方針であるところの「実用的な英語」を意識して作られていると言えるでしょう。
他方、京大の英語は、(僕が受験を受けた2017年ごろまでは) 、なんと
- 和文英訳
- 英文和訳
の2題のみ。
しかも、時間は120分という、まさに「一点突破」の問題でした。
※そのため、帰国子女なら30分で終わる、という噂までありました。
なので、この2題はある意味で非常に重い問題でした。
解答を書くときには、本当に、句読点の1つをつけるかどうか、というような細かい、普段は絶対に気にしないようなところまで気を使って書くのです。
また、単に「知っているか」を問うような問題でだけはなく、例えば「鹿おどし」をどう訳すか、というような頭の回転の良さを試すような側面も持っているのです。
全教科、この調子。
まぁ、軽く絶望です。普通に受験対策をして解けるかといえば、怪しですよね。
これが、第二の壁。
特に、僕はいわゆる地頭(じあたま) と呼ばれるようなものについては全く自信がなかったので、とにかく京大の問題になれるのは大変でした。
ちなみに、ここまで聞いて
と思わないでくださいね。
京大の問題は、確かに応用問題のような側面があるんは確かなのですが、その土台には確かにしっかりした “基礎” がなくてはいけません。
だから、基礎は大事。
むしろ、基礎がない人は遠回りです!
この第二の壁は、超えたか超えないかわからないまま受験を迎える人がほとんどだと思います。
というか、ぼく自身もこの壁の超え方がわからないのです。
まぁ、やることはやはり
- 過去問に慣れる
- 自分のできなかったことを復習する
というサイクルを繰り返す以外にないのかな、と思います。
5. ようやく京大の問題が解ける
と、まぁこの第二の壁を超えたら問題がサクサク解けるようになるかといえば…
残念ながら、そんなことはありません!
まぁ、考えてみてくださいよ。全国で2番目の大学ですよ。そんなにサクサク解けるようになっていたら、誰も苦労しません。
しかし!
あくまで合格者平均点くらいなら、キープできるようになります。
これは自分で調べて欲しいのですが、京大といえども合格者平均点は6割くらいなのですよね。
えっちらおっちら壁を超え、めげずに問題をコツコツやってきたら、本当にどんな人でも大体は合格することができます。
なので、この計画で勉強を進めれば、おそらく
そこそこの順位で合格する
確率が、圧倒的に高まると思います!
以上が、「ぼくのかんがえるさいきょうのべんきょうけいかく」です!
計画の立て方、コツ、実行の仕方
さーて、では、上の計画を読んだからといって、一瞬で勉強の計画がしっかり立つかというと、おそらくそんなことはないと思います。
というか、そんなだったらこんな記事を読んでないですよね!
だから、ここからは上の計画に合わせて、
- こういうところに気をつけた方がいいよ!
- こんなところにトラップがあるよ!
- これは、悩んでも仕方のないことだよ!
というちょっとしたアドバイスを書いていきたいと思います!
ぜひ参考にしてみてください!
ちなみに、ここからの勉強計画というのは、「長期」だけでなく「短期」のものも含んでいます。
全ての物事に優先順位を決める
全ての教科の科目を同時に頑張ることはできません。
そんなことができるのならもうとっくにしてるわけで…
なので、やることに優先順位をつけることが大切です。計画を立てるときは、「したい」ことと「しなければいけない」ことをはっきり分けるといいでしょう。
また、優先順位のつけ方として、より基礎の単元や分野を始めにやると良いです。例えば、英語で言ったら「単語」が全ての基礎になっているので、まずは何よりも単語力をつけなくてはなりません。(かと言って、単語だけをやればいというわけではありませんが…)
また、いきなり長文を読むのではなくだんだん文章を長くしたほうが効率的です。
この優先順位のつけ方を間違えるのが、伸び悩んだりする原因になっている人が意外と多いので注意しましょう。
計画は、なるべく時間で区切らない
計画を立てるうえでオススメな方法は、「何時から何時まで勉強するか」という、時間で計画を立てるものよりも、「このテキストのどこからどこまでをやる」という量で区切るものです。
これはなぜかというと、時間で区切ると、計画を作って満足してしまうことが多いからです。例えば、一時間英文法をやる場合、時間で区切ると、一時間机に座ってぼーっとしていてもできてしまいます。
一方、35ページまで、と区切ると、実際にできたかできないかがはっきりわかります。目標を達成した爽快感も出ますし、何より無駄な時間を過ごさなくても良いのでオススメです。
デメリットとしては、量が多すぎると後ろに伸びてしまうので無理なく計画を立てるようにしましょう。
質ではなく量(量が質を作る)
先ほどと一見相反するように見えますが、とにかく時間をかけましょう。
とかく、勉強のできない人ほど、勉強の効率を追い求めます。効率は、量をこなした人が身につけるものです。
勉強はいきなりパッとできるようにならない代わりに、時間をかけた人は必ずじわじわと伸びてきます。
勉強にかける時間を惜しまないようにしましょう。
具体的に。具体的に。
計画は、できるだけ具体的に作りましょう。抽象的な計画には隙があり、怠け者の心がムクムクと顔を出してきて必ず勉強できなくなるでしょう。
具体的とはどのようなことを言っているかというと、
- 日付、期限をしっかり決める
- ページ数、賞を明確にかく
などです。
これらを決めることで、計画遂行に大きく近づきます。
復習をしっかり
受験でもっとも重要で、でも軽視されていると感じるのがこの復習です。
受験では、今まで出題された問題がそっくり出ることは珍しいですが、出題された問題の例題が全くない問題の方が滅多にないです。
一つの問題をしっかり理解して解けるようになると、派生した問題も解くことができます。だんだんと解ける問題の幅を広げていくと、応用も効いて点も伸びやすいです。
復習はしっかりするようにしましょう。
計画は崩れてもオッケー。また作り直そう
お伝えしているとうり、計画は、あくまでも計画です。
はじめのうちは特に、計画が思い通りにくことは滅多にありません。守らなくていいというわけではありませんが、計画通りにいかなくてもしっかり立て直しましょう。
計画を1週間おきに立てるのをおすすめするのは、1日ごとの計画は崩れた時に修正しにくいからです。
1日サボってしまったら、次の日に頑張って調子を合わせて、1週間でなんとか計画どうりに持っていってください。
「反省」は必要 だけど「自己嫌悪」は不要
受験においても、勉強計画においても、失敗やミスはザラにあります。
ここで必要なのは、「次にこうしよう」という反省出会って、「なんて自分はダメなんだ」という自己嫌悪ではありません。
そんなことをしている時間があるのなら、しっかり勉強をしましょう。
手帳を使う カレンダーに書く
最後に、計画を立てる上でおすすめの手帳の紹介です。
僕が現役生のときは普通の手帳に計画の時間を立てていましたが、どこに何を書いたかわからなかったり、達成できたかできないかがわかりにくくなっていました。
その時は、勉強計画を立てるのが少し億劫でした。
しかし、浪人の時に「赤本手帳」に出会って、計画を立てたり、それを達成したりするのが楽しくなりました。
これがその赤本手帳です。
他にも、合格手帳も有名ですね。このように、受験用に作られた手帳は勉強がしっかりできるように工夫がなされているのでしっかりと無理なく続けることができます。
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また、カレンダーなどの見えるところに書いておくことも大切です。達成できていない自分を戒める意味でも効果覿面です。
☝︎受験の手帳について解説しています!
最後に:京大で待っているよ
はい、というわけで「ぼくがかんがえるさいきょうのべんきょうけいかく」でした!
いや、長かったですね。お疲れさまでした!
「ただ、これを読んだだけで満足しないように!」ってことは、もうわかっていると思うので詳しくは書きません。
あとは、やるだけです。
受験はマラソンに例えられます。
はじめのうちはゴールが見えなくても、少しづつ前に進めば必ず道は拓けます。試験当日に、「これだけ勉強したんだから」と言えるように納得のいく時間の使い方をしてください。
【追記】
最初にこの記事を書いたときは、
って言ってたんですけど、もうそろそろ卒業なのです。
受験の内容についても、今では多少変わったところもあると思うので、その辺りについてはぜひ自分で調べてみてください!