ブログを書いていて、たくさんコメントをいただけるようになったのですが、その中で「苦手な教科の勉強法を解説して欲しい!」と言う声が多く届いています。
中でも、圧倒的に苦手としている人が多いのが… そう、数学です。
文系・理系問わず、多くの受験生が数学の問題に苦しんでいるみたいですね。
そこで、この記事ではざっくりと「僕が数学の勉強をどうやってしていたか?」と言うことについて紹介していけたらなと思います。
目次(クリックでジャンプ)
数学が苦手な人は結構多い
はじめに1つ言っておきます。
俺も、数学が苦手でした。高校2年生の頃から点数は良くなかったし、何なら入試でもそこまで良い点は取れませんでした。
だから、この記事で紹介していくのは「数学が得意な人がどうやって満点を取るか?」ではなく、「数学が苦手な人がどうやって合格点を取るか?」という話を中心にしていきたいと思います。
また、俺は理系ですが、高校2年生の途中までは文系受験を考えていました。(←数学が出来なさすぎて)
というか、僕の高校に文系の進学クラスがあったら絶対に文系に行ってました!
なので、文系と理系のそれぞれについてもちょっとずつ触れていきたいと思います。
以上のことを頭に入れた上で、この記事を読んでもらうと嬉しいです。
数学で大切なことは毎日コツコツとやること
数学の勉強をやる上で、まず最初に、僕が一番大事と思っていることを紹介します。
なぜかといえば、数学は積み重ねが大事な教科だからです。
もちろん、すべての教科で積み重ねは大事なのですが、その中でも数学は特に大事だということです。
数学って、算数を考慮に入れるならば、小学校からずっとずっとやってきた科目なんですよね。
(ちなみに、あれだけ「積み重ねが大事!」と言われている英語よりも6年も前からやっていることになります。)
なので、はっきり言って1日や2日でどうこうなる相手ではないのです。
数学が好き!とか数学が得意!とかいう人は、この積み重ねをいやというほどやってきています。
逆に、数学が嫌いな人は、その積み重ねをすっ飛ばして生きている人が多い印象です。(僕もそうでした…)
特に、苦手と感じてしまっている人は、避けて通る人が多いような気がします。
でも、それじゃだめなんですよね。
苦手な人や、数学をやりたくない!と思っていれば思っている人ほど、数学をやらなくてはいけないひとです!
ぜひ、毎日数学に触れて、一歩ずつ苦手を克服していってください!
大学受験における数学の前提となる知識など
すぐに勉強法を書き始めてもよかったのですが、それより前に、数学の基礎的な考え方というか、前提的な知識からお話した方が良いかな、と思ったのでこの章を設けました。
勉強法を知りたい人はサクッと読み飛ばしてください!
問題を解くためには何が必要なのか?
さて、一番基本的なところから書いていきたいと思います。
ズバリ、問題を解くためにはどんな能力が必要なのか?
僕が考える、数学の問題を解くために必要な力は以下の3つだと考えています。
- 問題を把握する力と、その解法を思いつく力
- 思いついた解法で答えまでたどり着く計算力
- 自分の考えを的確に、論理的に記述できる力
これらの力は、数学のどんな問題を特上でも非常に重要な力になってきます。
逆に言えば、この3つの力さえつけてしまえば受験数学は怖くはない、と言うことです。
もうちょっと簡単にいうと、入試の数学はだいたいのパターンが決まっていて、
- それらの解法パターンがわかって
- その通りに計算ができて
- それをしっかりと書き起こせれば
あっさりと合格できてしまいます。
これから紹介する勉強法では、主にこの3つの力を伸ばすためのものと思ってもらえると良いと思います。
基本的な計算力の重要性について
先ほどの3つの力の中で、最も基礎的なものは、2番目の「計算能力」です。
それはそうだと思うかも知れませんが、これが意外と侮れません。
話は変わりますが、世界で一番数学が発展している国は、インドだと言われています。
このインド、なんで数学が発展したかというと、その要員の1つとされているのが「2桁同士の掛け算まで暗記をする」からだと言われているんです。
2桁同士の掛け算とは、例えば “32×19” とかです。
何が言いたいかというと、こうした基礎的な計算ができるかどうか、ということは数学の点数に極めて大きな影響を及ぼします。
簡単な計算が早くできるということは、それだけで時間の短縮になるし、それ以外のことに頭を支えると言うことでもあります。
逆に、足し算や掛け算でオロオロしてしまっては時間のロスも大きく、後になって計算ミスや単純な計算間違いで点を落としたりします。(僕もよくやりました…)
なので、計算をするときは、例え練習であっても早く、正確にを心がけるようにしてください!
数学における暗記の重要性
数学は暗記だと言われて「その通り!」と思う人はどのくらいいるでしょうか?
でも、これも僕の経験上ですが、数学はある程度までは「暗記」が大切になってきます。
どのあたりが暗記かというと…
- 公式の暗記
- 解答方法・パターンの暗記
- 解答によく用いる定型文の暗記
こうしたものを覚えていかなければなりません。
ただ、数学が他の教科と違うのは、こうして暗記したものを「実際に」使っていかなければならない点です。
なので、数学の暗記はただ覚えるだけではダメで、それを使いこなすことができないといけません。
だから、暗記して、それを使って問題を解いて、を繰り返していきます。
これこそが、最も王道の勉強法です。
ただ、それには効率の良い方法や、経験的に「こうしたら良く覚えられるよ!」と言うやり方があるので、この記事ではそうしたものを伝えていけたらいいなと思います。
数学はひらめきや天才のやる教科ではない
基礎知識として、最後に挙げておきたいのが、数学のよくある誤解です。
これまで、僕は多くの受験生とお話をする機会があったのですが、その中の一定数の人は、こんなことを言っていました。
- 僕は、数学の才能がないので数学ができません
- ひらめきが足りないんですよね…
似たようなことを思っている人は多いような気がします。
実際、俺も高校2年生の頃までそう思っていました。
でも、よく考えてみてください。あなたは、別に「新しい数学の公式」を発見したり、ABC理論を解き明かそうとしている訳ではありませんよね?
ただ単に、入試問題が解ければいいんですよね?
だったら、”ひらめき” とか “才能” とかは必要ありません。
ここまで読んでもらったらわかるように、入試の数学とはパターンの暗記と応用ができるかどうか、にかかっています。
才能が必要ない、という証拠に、現に、僕が京大に合格できています。
だから、安心してください。
そして、最初にも書きましたが、どうか数学を自分から遠ざけるようなことはしないでください。
数学に親しんで、楽しみながら勉強を続けていきましょう。
それが、一番大切なことですよ!
受験数学の大きな流れは4段階に分けられる
では、まずはざっくりとした勉強の流れを説明したいと思います。
受験数学には、大きくわけで4つの勉強のレベルがあります。それを説明しますね。
LEVEL1 教科書レベルの問題をやり込む
まずは、教科書レベルの問題をやりこみましょう。
さっきも書きましたが、数学はしっかりとした土台を作ることが大切です。
もし、教科書レベルがおぼつかないと思ったら、1学年下の教科書からでも良いので、しっかりと復習しましょう。
それくらい、基礎が大切です。
これは遠回りのように見えますが、経験上、このやり方が最も早く数学ができるようになります。
教科書のまとめの問題や、学校で配られる基本的なレベルの参考書をゴリゴリにやりこみましょう。
詳しい勉強法などは、後の方で解説します。
LEVEL2 基礎問題の理解を進める
「教科書のレベルは完璧にできるぞ!」という人は、参考書を何冊かやっていきましょう。
どの参考書があっているかは人それぞれですが、基本的にはチャート式のような、問題と答えがセットになっているようなものをこなしていくと良いでしょう。
この段階で大切なことは、「解法パターンを暗記」して、それを体に覚えさせることです。
解法パターンの例としては、例えば
- 漸化式の問題の立式のやり方
- 変数を扱う問題では、分離して考える
- 整数問題だと、使うのはだいたい背理法
みたいな感じです。これらを使いこなしていくのです。
慣れていくと、本当に問題をパッとみただけで、「うん、このやり方でできそう!」みたいな直感力が働きます。
それくらいになったら、次のLEVEL へ進みましょう♫
LEVEL3 受験問題のアラカルトを解いていく
ここまできたら、いよいよ受験問題を解いていきましょう。
アラカルト、と言ったのは、「様々な問題から選りすぐりの1問を集めた問題集を解く」という意味です。
おすすめの問題集とかは後で紹介しますね!
受験問題の中にも、様々なタイプがあって、
- 基礎的な知識があるかを問うような問題
- いくつかの分野をごちゃ混ぜにしたような問題
- いわゆるひっかけ問題・鬼問
などがあると言われています。
それらをごちゃ混ぜにしてやっていたのでは、効率的な勉強法とは言えません。
なので、このLEVEL3 で大切なことは、「良い問題だけを解く」ことです。
何が良い問題か、などについても後で解説を加えます。
LEVEL4 赤本とお友達になる
いよいよ、最後のレベルで赤本や過去問を解いていくステップに入ります。
この段階になったら、時間を意識したり、どの問題をどのくらい解いて合格点に近付くかなども意識していく必要があります。
早くこのLEVEL に到達したいのはわかりますが、現役生ならば2, 3ヶ月前くらいでここにきていればすごいと思います。
ちなみに、僕はこのレベルに入ったと思ったのはセンター試験後の1月でした。
この辺りの勉強のやり方も、先生に教わったりはしないと思うのでぜひこのブログを参考にしてみてください!
教科書のレベルの問題をやり込んでいく
それでは、ここからは各レベルの勉強のやり方をもう少し詳しく説明したいと思います。
まずはLEVEL1の、教科書レベルの基本的な問題のやり方についてです。
- 教科書
- 教科書についている問題集
教科書レベルって具体的にどのくらい?
まずは、教科書レベルの具体的な例から。
どのくらいの問題が解けるように慣れば良いかというと… ズバリ、センター試験くらいです。
センター試験って、かなり難しいように感じている人もいるかも知れませんが、それは全く見当違いです。
センター試験は、教科書のレベルを超えることはあり得ません。なぜなら、あれは全国の高校生が全員解けることが前提で問題が作られているから。
だから、教科書の内容が完璧にわかって、なおかつそれを計算できる能力さえあれば、80点、90点は誰でも取れるものなのです。
逆に、それくらいの点数が取れない、という人はまだまだ教科書レベルの問題がやりこなせてないということになります。
まずはセンター8割を目標にしてみてください!
ただし、センター試験は時間との戦いもあり、一概には言えません。また、高校1年生、2年生は未学習の領野もあると思います。
また、理系の人はセンターは解けて “当たり前” ですが、文系の数学が苦手な人だとかなりハードルが高いかも知れません。
そうした人は、教科書の基本問題や基礎問題がしっかりと解けるかどうかを確認してみてください。
公式を使いこなす感覚が大切です
では、教科書レベルの問題をこなす、とはどういうことかを説明します。
まず初めに大切なのは… 公式を使いこなすことです。
数学には、少なからず公式というものがあります。それらを、しっかりと理解し、覚えましょう。
覚えると言っても、ただ単に「sin の2倍角の公式は、〇〇」みたいに口で言えたり紙に書いたりできるだけじゃなくて、その公式を使ったかんたんな問題が解けるようになりましょう。
そのために必要なことは、次の3つです。
- 1度は公式を証明してみる
- (特定の公式は) 絵に書いてみる
- 実際に公式を使った問題を解く
この3つをやることで、公式への理解が深まります。
特に、絵に書いたり証明をしたりすることは、今後の数学人生において役立つこと間違いなしです。
解く問題は教科書に載っている簡単な問題で良いので、スラスラ解けるようになることを目標に繰り返しましょう。
公式は、単なる暗記ではなく感覚的に覚えるようにしましょう。例えば、どうすれば値が大きくなるかとか、どうしたら条件が満たされなくなるか、ということを常に注意しながら覚えましょう。
ウンウンうなること=勉強ではない
ここまで読むと、なんだかとってもカンタンなことをしているので、果たして本当に勉強できているのか悩む人も多いと思います。
でも、大切なことですが、難しい問題をウンウン悩んで解くことだけが勉強ではありません。
どんな教科でもそうですが、基礎が大切。その基礎はどうやって身につくかというと、要は簡単な問題の反復です。
反射で解けるようになるくらい、もしくは問題を覚えてしまうくらい、徹底的にやりましょう。
まとめると、「簡単な問題」をしっかり解けるようになることが、このステップの最終的な目標だ、ということです。
LEVEL2 基礎問題の理解を進める
それでは、いよいよ基礎問題の理解を深める工程です。
もしかしたら、ここが一番長く、そして一番気になるところかも知れません。
言い換えれば、この「基礎問題の理解・解法パターンの暗記」こそ、受験数学の天王山なのです。
気を引き締めて読んでみてください!
解法パターンの暗記とは何か?
それでは、まず初めに「解法パターンの暗記」とは何か?というところから。
受験数学では、問題のパターンというのはある程度決まっています。
大まかな分類だと、「確率」とか「整数問題」とかのジャンルで区切られます。細かいものだと、「面積を求める問題」とか「域値問題」など、さらに別れます。
こうした問題は、ある程度解き方が決まっていて、それを組み合わせて問題が作られている場合がほとんどです。
ちなみに、なんで「パターンがある問題を作るのか?」不思議に思う人もいるかも知れません。
せっかくの受験問題なら、今までにみたことないような問題を作った方がいいような気もします。
でも、なぜそうなっていないかといえば、要は作るのがめんどくさいからです。
問題を作るのは基本的に大学の先生なのですが、先生たちも暇じゃないので問題を作るときは、過去の問題を参考にしたりしているのです。
なので、大学受験の問題の9割9分はどこかでみたことあるような問題になっているのです。
さて、問題のとき方に話を戻しますが、このとき方は、理想的には、問題文を読んだだけでパッと見えなければいけません。
僕の通っていた塾の先生の言葉では、「問題が山だとしたら、解法というのは登山道みたいなものだ。山を見たら、どこから登ることができるのかを瞬時に見極めるべし」だそうです。
LEVEL2 が大変と言われる理由
さて、ではなんでこの「解法パターンを覚える」ということが大変かというと、ズバリ量が多いからです。
パターンと言っても、細かいものを含めると300近くになると思います。
なので、1日2パターンやっても半年近くかかってしまいます。
さらに復習をしたりしていると、あっという間に時間が過ぎてしまいます。なので、この辺りは効率よく進めていくしかないですね。
そこでおすすめなのが、解法パターンをまとめた参考書をひたすら解いていくやり方です。
僕が使っていたのが、青チャート。これはいい参考書です。
(2024/11/20 19:14:36時点 Amazon調べ-詳細)
また、大変なもう1つの理由としては、「同じ解法パターンでも、見た目が違う問題がある」ということも挙げられます。
どういうことかというと、同じ解法を使う問題でも、パッと見ただけではわからないようにしていある問題がある、ということです。
これを見破ることができれば、あなたも立派な受験生ですよ。
どうやったら「完成」するのか?
では、300近くある解法をどうやったらマスターすることができるかですが…
残念ながら、全部はできません。当たり前ですが、完全な状態で受験会場に向かうことなんてできないのです。
では、どうするかですが、参考書のどれか1冊に載っているものだけを、全部覚えるということをおすすめしています。
先ほどの青チャートでいえば、青チャートに載っている解法パターンなら全部とける、という状態にしておくのです。
そうすれば、まぁ他の受験生と差がつかない程度には戦えます。
だから、そのためには、まず青チャートの問題を端から端まで全部理解して解ききるころが大切です。
僕がやっていたのは、こんなサイクルです。
1周目:全部とく、苦手な問題にチェック
2周目:チェックした問題だけやる、間違えたら×マーク
3周目:×マークの問題だけやる
間違えた問題を繰り返す
こうして、解けない問題がなくなるまでゴリゴリ進めてください。
この期間は、解けない問題とひたすらに向き合うことになりますし、割とストレスがたまります。
頑張って乗り切ってください♫
LEVEL3 受験問題のアラカルトを解いていく
さて、受験勉強もいよいよ終盤に近づいてきました。
この段階は、割と数学っぽいことをするし、問題自体も何度が上がって楽しくなるので、割とテンション高めで乗り切れると思います。
LEVEL3 の目的は何か?
このLEVEL3 の目的は、「受験数学に慣れる」ことです。
今までやっていた解法パターンを習得するレベルでは、解法パターンにただ当てはめるだけのものが多かったはずです。
でも、そうした問題だけだと、レベルが上がっていけば多くの人が全問正解してしまいます。
そこで、受験数学では「ちょっと見方を変える問題」だったり、「パッとみでは解法がわからない」問題を作ってあります。
そうした問題で大切なのは、先ほどのLEVEL2 で覚えた解法パターンを使いこなしていくことです。
問題によっては、2つ以上の解法をくみ合わせる問題も出てきます。
そうした問題に対応するにはやはり数をこなしていくしかありません。
受験本番の問題を使っていくことで、これに対応してください。
なんで赤本を解き始めないのか
では、なぜ初手で赤本に行かないかというと、過去問では次ようなリスクがあるからです。
- 正解率が1桁台の超難問が紛れている
- 分野がバラバラなので計画的に解けない
こうしたデメリットがあるので、最初は問題集を解くことをおすすめしています。
特に、先ほどあげた「プラチカ」や「標準問題精講」などは、受験によく出てくる応用問題などが整理して掲載されています。
これを解き進めていけば、ある程度の大学までは、問題を見た途端に「あ、問題集でやったやつだ!」ってなります。
赤本は、最後の時間調整などで使うようにしましょう。
時間がない人はニガテなところだけ
このレベルになると、時間がなくて勉強できない… という人も出てくると思います。
そういう人はどうしたら良いかというと、「苦手な分野」だけに絞ってやってみてください。
僕の経験談ですが、僕も現役生の頃は問題集をやる頃にはもう11月になってしまっていました。
1ヶ月近くで1参考書を終わらせなくちゃいけませんでしたが、当然ながら終わりそうにありませんでした。
ではどうしたかというと、苦手だった整数問題と確率、微積の問題に絞ってやりました。
それ以外の、例えば図形問題などはやっていません。(浪人の頃は、もちろんやりましたが)
このように、得意なところを飛ばしたりしてうまく調整してみてください。
苦手な分野に関しては、それに絞った参考書などを購入して勉強してもいいかもしれません。俺も、確率がめちゃめちゃ苦手だったのですが、学校の先生が勧めてくれた「はっと目覚める確率」という参考書で勉強してからというもの、逆に得意分野の問題になりました。
苦手がはっきりしているひとは、それをつぶせば伸びると思って集中して取り組みましょう!
ただし、学校によっては出やすい分野と出にくい分野があるので、そのあたりをしっかりと確かめてから時間をつかうようにしてください!
LEVEL4 赤本とお友達になる
いよいよ最後のセクションです。この項の目的は簡単で、試験に慣れることです。
やらない人もいると聞きますが、大切なので絶対にやるようにしてください。
なんで赤本を解くのか?
志望校の過去問を解くメリットは次のようなものがあります。
- 時間配分の間隔を身につける
- 自分の解けない分野を知る
- 志望校の出題パターンを把握する
特に、時間配分は重要です。入試では、いくつかの問題が出題されると思いますが、その全部がおんなじ難易度ではありません。
どれか1つや2つ、簡単な問題が混じっていたり、逆にめちゃめちゃ難しい問題が入っていたりします。
簡単な問題に時間を残せなかったり、難しい問題に時間を使ったりしてしまっては、受かるものも受かりません。
なので、その感覚を身につけるためにしっかりと時間を測って赤本を解いてみてください。
解答用紙を再現するイメージで解く
僕もそうだったのですが、数学の練習問題を解く時には、証明が荒かったり説明を飛ばしたりしてしまいますよね?
これはある程度はしょうがないのですが、本番でやると減点を食らったりしてしまいます。
しかも、説明の日本語を書いていると、思いつかなかったりして結構時間を使ってしまいます。
だから、赤本で過去問をやる際には、ぜひ「入試の本番で書くような解答を作る」ことを心がけてください。
また、問題がわからなかったり途中で詰まったりした際も、どうやったら途中点をもらえるか、という視点で解答を作ってみましょう。
一方で、普通の参考書などで問題を解く場合は、解答をめちゃめちゃ丁寧に書き込む必要はないと思っています。
そのあたりは時間の配分の仕方なので、時間が1秒でももったいないという人はそのあたりを注意してみてください!
受験はいかに点数を取るか、というゲームです。
答えが全然分からなくても、最後の1点を泥臭く取るかどうか、というところでかなり大きな差が出ます。
まじで、そこんとこわかっておいてください。
赤本で失敗したところをもう一回チャートで
赤本を解いていくと、意外と「簡単な」問題や基礎的な問題でつまづくことがあると思います。
そんなときは、ぜひ一回チャート式や応用問題集に戻ってやり直しをしてみてください。
これは僕が先生に言われたことですが、数学って過去問をただ1回解いただけでは実力はつかないんですよね。
だって、おんなじ問題とか2度と出ないし…
だから、間違えたところはしっかりと復習して、穴を埋めることが大切なんです。
これをやらないと、過去問を解いたはいいけど、新しい問題は解けるようになってないマンになりかねません。
復習が大事、ということを頭の片隅に置いておいてください。
数学を勉強する上で気をつけたいことなど
ここからは、僕が受験数学をした上で思ったことや、所感などをブログっぽく書いていきます。
もしかしたら、万人に当てはまるものではないかも知れませんが、あくまで先輩の経験則として知っておいてください。
答えをある程度思い描く努力をしよう
受験勉強をしていて、「この意識を持ったら成長したな」と思ったのが、これです。
問題を見たときに、(口で) 「この問題、多分最初にこれを求めて、それをこうこうこうしたら答えがきっと求まる」と説明するのです。
あっていたら良し、間違っていたら、どう間違っていたのかをしっかりと振り返ります。
これをすると、自分が
- 問題の解法が全然思いつかなかったのか
- それとも、途中の計算でミスをしたのか
のどちらで間違えたのかがはっきりとわかるようになります。
最初にも言いましたが、入試の数学では問題を見抜く力と、それを解ききる力の2つの力が必要です。
苦手な方があるとしたら、それを改善する工夫を自分でも行ってみるといいでしょう。
ちょっとの計算ミスも許さない姿勢が大事
数学である程度のレベルになってくると、必ず起こってしまうのが、この「計算ミス」です。
僕も現役時代の頃は計算ミスのオンパレードで、テストや模試のたびに単なるミスで点を落としていました。
今だからいえますが、こうしたミスを甘く見てはいけません。
なぜなら、このタイプのミスは本番でも起こりうるからです。
実際、僕も10点くらいはやらかしましたし、友達はこのミスで大問1つを吹き飛ばしたそうです。
1点で合否が分かれることもある入試において、このミスは笑っていられません。
絶対になおす、という強い意志を持ちましょう。
最後に:数学は裏切らない
以上が僕の数学の勉強法の全てでした。
かなりいろんなことを書いたと思いますが、よかったら目次だけでも見返してみてください。
最後のタイトル、「数学は裏切らない」と書きました。
最初にも言いましたが、僕は数学が苦手でした。(今でも苦手ですが…)
ただ、それでも最終的には合格者平均点くらいまでは点数が伸びていきました。
コツコツと、やることをやれば誰だってこのくらいはいくものなのです。
そのための勉強法は、全部この記事に書きました。
何度も読み直して、そして勉強してもらえたらいいなと思います。