いきなりですが、数学の勉強法って人によって効果的な方法というのが微妙に変わってくると思っています。
なので、先生によって公式を暗記しろだのしなくていいだのって話になります。
一方で、漢文の勉強法はおそらく100人いれば80人くらいが同じことを言うと思います。
この記事でも漢文の勉強法を紹介していきますが、そのほとんどはめちゃめちゃオーソドックスなものになります。
言ってしまえば「ベタ」な方法になりますが、よく言えばこれこそが「王道」であり、最も効率的な方法と言えます。
ぜひマスターしてみてください!
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漢文は国語の中で最も点数を上げやすい
まずは漢文に対するモチベーションを上げるために。漢文のある特徴をご紹介したいと思います。
受験国語は、論説・小説・古文・漢文で構成されることが多いです。この中で、漢文は圧倒的に「勉強すれば伸びる」のです。
いや、国語に限らず、受験勉強の全ての科目の中で、「最もお得に点数が取れる」と言っていいかもしれません。
それは、次のような理由からきていると考えています。
- 覚えなければいけないことがはっきりしている
- 暗記する量が格段に少ない
- テスト内容が50年前と変わっていないので、先生が授業しやすい
まだまだありますが、こんなところだと思います。
まぁ点数が取りやすいということは、上位を狙うライバルたちは必ずと言っていいほど「満点」近くをとってきます。逆にここで落とすと結構な痛手になってしまいます。
特に小説や論説はどうしても安定しない部分が出てきてしまうので、この漢文で安定した土台を作っておきたいところです!
それでは、いよいよ勉強法を紹介していきたいと思います!
漢文はほとんど英語と勉強法が変わらない
1番最初に抑えておいて欲しいこと、それは「漢文の勉強法は英語とほとんど変わらない」ということです。
英語の勉強法というのは、大体こんな流れですよね?
- 単語・熟語を覚える
- 文法を覚える
- 短い文章を読み・書きできるようにする
- 徐々に長文を読んでいく
漢文は、いわゆる「外国語」です。なので、基本的には英語の勉強法と同じ方法が使えるのです。
それでは、具体的な漢文の勉強法についてみていきましょう!
まずは書き下し文をマスターしよう
まずは書き下し文です。これができないと、漢文を読んでいくことは不可能に近いです。
通常、センター試験などではレ点などが振ってあります。なので、まずはこれを正しく順番通りに読むことができるようにならなければいけません。
そして、それができたら今度はそれを「より早く」できるように何度もトレーニングします。
レ点、一・二点・上下点・甲乙点などが混じった文章を見た瞬時に、パッと読めるようになるまで練習しましょう!
漢文で重要なことは、ただ点数をとることではなく「現代文を解く時間をしっかり残して高得点を取る」ことです。
なので、常にスピードを意識して勉強するようにしてください!
句型は絶対に暗記する
漢文で最も重要なものは何かと聞かれたら、100人中99人が「句形」と答えると思います。
句形とは、文章のパターンのようなものです。英語で言うところの「文型」と「熟語」の中間みたいなところだと思っておくといいと思います。
具体的には、次のような形が有名ですよね。
- 否定 (例:人は木石に非ず)
- 使役 (例:王兵をして敵を調べしむ)
- 受身 (例:我王の愛する所と為る)
- 疑問・反語 (例:孔子は魯の人ならんや)
- 比較 (例:紅葉は花よりも紅し)
- 願望 (例:冀はくは復た兎を得ん)
これらは絶対に覚えなければならない句形です。
漢文の勉強法というのは、ぶっちゃけて言ってしまえばこの「句形を覚える」ことです。
逆にこれさえ覚えてしまえば、あとは他にやることはないと言ってもいいくらいです。
では、どのくらい覚えれば良いかですが、それは参考書や問題集を参考にしてみてください。
ただ、他の教科のように何冊も買う必要はなくて、1冊だけでO.K. です。買った1冊を丸々暗記する勢いで、頭に叩き込みましょう。
模試などでは、暗記した部分以外からも当然出てきますが、それらの問題は基本ができれいればその場で組み立てて考えることができる」ようになっています。
あれやこれやに手を出すよりも、1冊を全部覚えることの方が大切になってきます!
たまに「漢文常識って必要ですか?」と聞かれることがあります。俺の答えとしては、「あればいいけど、なくても別に困らない」って感じです。
覚えるとしても、参考書や問題集のコラムに書いてあることくらいを覚えておけばいいと思います。
徐々に長文に慣れていくのがおすすめ
矩形を覚えたら、あとはもうそれを実戦で使っていくだけです。
長文が苦手な人も多いかもしれませんが、所詮は長文というのは「句形の集まり」に過ぎません。
1つ1つ分解していけば、自ずと読めるようになっているはずです。
長文の時に注意したいポイントは、「問題文の説明文」をよく読むことです。
長文の前には、「その問題はどういう場面なのか」が書かれているものが多いです。
それをしっかりと頭に入れて、あらかじめ問題文の情景を思い浮かべながら読み進めていってください。
長文は、どうしても慣れが必要です。
なので、時間のある人はまずは短い文章や簡単な文章から始めて、どんどんそれを長く・難しくしていってください。
最終的には、模試や過去問などを使いましょう。
漢文は面白い話が多いので、読めるようになってきたらハマると思います。読むのが楽しくなってきたら、もうあなたは立派な漢文マスターです!
漢文の勉強における注意点
それでは、次に漢文の勉強における注意点について書いていきたいと思います。割と重要なことが多いのでしっかりと心のノートにメモをしておいてください!
漢詩の読み方・形式をしっかりと覚える
まず1つ目は、漢詩の読み方やルールなどを覚えておいてください。これは、マストです。
- ルール = 韻
- 形式 = “七言絶句” とか “五言律詩” とか
これさえ覚えていれば、漢詩は怖いものではありません。むしろ、得点源です。
あとは、有名な漢詩に関してはいくつか朗読をしてみると良いと思います。教科書レベルのものでも良いのでいくつか知っておくと思い出すときや比較などに便利になります。
漢文だけでなく、受験勉強の最強の勉強法は、僕は「音読」だと思っています。漢詩は、ぜひ声に出して、口に馴染むまで音読してください。
そうすると、リズムがわかってくるので漢文を読むスピードも上がってきます。いいことだらけなのでぜひどうぞ。
80% くらい安定して点数を取れるようにする
漢文の目標は、とりあえず80% を安定して取れるようになることです。
正直、漢文は100% に近づけやすい方です。現代文とかではどうしても「微妙な選択肢」だとか「満点は取れないだろう説明問題」とかが出てきてしまいます。
それでもまずは8割くらいを目標に、句形の暗記や音読に励んでみてください。
ただ、先ほども言いましたが、8割を取るというのは、「小説・論説のために十分に時間を残して」のことです。
そのため、練習の時から問題を解くスピード を上げるように意識をしてみてください!
時間に関してもう1つ注意があります。それは、漢文の勉強時間は1日にそれほど多く取らないことです。
勉強をするなというわけではなく、漢文の勉強は1日20分とかにして、他の教科の勉強に当てた方がいいということです。
受験は、多くの場合は総合点での勝負です。なので、漢文だけ点数が取れてもあまり意味がありません。バランスよく得点を重ねる必要があります。
漢文はやったらやっただけ伸びるので楽しくなってしまうことがよくありますが(俺もそうでした) 、しっかりと苦手な科目に時間を割くことを意識しておきましょう!
ちなみに、漢文は高校2年生までである程度の範囲を終える学校がほとんどだと思います。そのため、割と早くから受験の対策ができる科目の1つでもあります。
他の教科は遅くまで詰めることがあるため、時間に余裕のある人はまずは漢文を仕上げてみる、というのはとても良い戦略だと思っています。
復習の時に全体をまとめておくと良い
勉強法のアドバイスとしてやっておいた方がいいと思うことは、「最後に全体のまとめの時間を作るといい」ということです。
漢文の長文のパターンって、そもそもいくつかに分類されるような気がしています。
- 悪い人たちが罰を受けるパターン
- 自然がひたすら美しいパターン
- 何かを何かに例えて諭すパターン
- 道具や物などの由来が語られるパターン
問題をどんどん解いていくと、このように「流れ」があることに気がついてくると思います。
その時に、いくつかこう言ったパターンを知っておくと「あぁ、この先はきっとこういう話になるのね」という心構えをすることができます。
なので、それを知るためにも最後に全体の大きな流れをまとめてみてはいかがでしょうか?
ちなみにこれは、論説などでも同じことが言えると思います。ぜひやってみてください!
レベルが高くなると「国語」の問題になる
最後に、漢文の問題のレベルが上がってきたらどうなるか、というお話です。
漢文は、レベルが上がってくるとどうなるかと言えば、ズバリ「国語の問題」になります。
どういうことかというと、例えば次のような問題になるということです。
- 〇〇とあるが、それはなぜかを答えよ
- 棒線部の言葉は、どういう意味か、説明せよ
こんな感じで、「漢文で問題文が書いてある、論説文」のようになってくるのです。
日本語で書いてある文章ですらまともに答えられないのに、漢文で問題が書いてあるなんて… と思うかもしれません。
なので、漢文がある程度できるようになったら、今度は小説や論説の勉強にも力を入れるようにしてみてください。
プラスの見方をすれば、国語の勉強は全てつながっています。全体のレベルアップを心がけていきましょう!
最後に:漢文は努力が報われる科目です
以上が漢文の勉強法でした。結構当たり前のことが多かったかもしれませんが、最初にもいった通り「王道」をいくのが一番の近道です。
受験勉強では、「勉強しても、勉強しても成績が上がらない」ということがよくあります。特に数学なんかはその傾向が強い気がします。
でも、俺は「漢文の勉強にいくら時間をかけても全く点数が上がらない」という人を今までにみたことがありません。
ぜひ、しっかりと時間をとってコツコツと取り組んでみてください!