高校に上がると、高1または高2で文理選択を迫られることになります。
しかし、理系か文系か決められない人、または、なんとなく決めてしまう人もいると思います。
私自身、何となくイメージで理系・文系を決めてしまう人がいますが、後々後悔している人を何人も知っています。
そこで今回は、理系と文系の選び方について長期的な観点から意見を述べさせて頂きます。
ずばり、文理選択をする際に知っておきたいポイントは以下の3つです。
- 得意科目で文理選択するのはちょっと待った!
- 私立か国公立で話が変わる!
- 就職は学部より大学が大事!
これら3つの観点から、文理選択の際に考えるべきことを説明していきます。
目次(クリックでジャンプ)
得意科目で文理選択するのはちょっと待った!
科目の得意不得意で理系や文系を決めないこと
ここで伝えたいことは、学校の科目の得意不得意で、自分が理系だとか文系だとかを判断しないでほしいと言うことです。
科目の得意不得意で、文理選択を決めつけるな!
などと諦めるのはやめましょう。
理系と言っても幅広い
実際、理系と言っても本当に幅が広いです。
一部の工学系のように、大学入学後や就職後も、数式や計算を扱う、ゴリゴリ理系みたいなところも確かにあります。
しかし、後ほども述べますが、薬学・農学・生物学・海洋系・看護・医療技術系・情報系などは理系のイメージが強い数Ⅲを受験せずに受けられます。
これらの学部は、大学入学後にほとんど数学に触れることがないこともしばしば。
『理系といえば数学!』みたいに思っている人は、間違いです。
高校の勉強と、大学や仕事は全く別物
高校の勉強が出来るのと、仕事が出来るのは別。
なぜ、科目の得意不得意から理系や文系を選ぶのは良くないのでしょうか。
それは、高校までの各科目の勉強と、その後の大学の勉強や仕事は全く別物だからです。
実際、大学で理系の研究者として活躍している人でも、分野によっては数学が苦手という方も多くいます。
また、それは仕事となるとより顕著で、理系の研究職についている人が数学得意かというと全くそんなことはありません。
逆に、文系の仕事(例えば営業職やマーケティング職など)で活躍している人が、国語や社会が得意かというと、それは全く関係ない話です。
数学が嫌いでも、理系の仕事は楽しいかも。
得意不得意だけでなく、楽しさなども変化します。
数学が嫌いで苦手だったとしても、理系の職業は楽しいことはあります。
例えばですが、数学は苦手でも、将来食品会社でお菓子や食べ物の研究をしたい人がいるかもしれません。
その場合、大学ではほとんど数学を使うことはありませんし、働き始めても数学は使いません。
とにかく簡単なイメージで自分のタイプを決めて欲しくはないのです。
私立か国公立で話は変わる
理系科目が不得意でも、理系で活躍できる可能性は十分あるという話をしました。
では、理系科目が苦手でも理系に問題なく進学できるかというと少しこれは違います。
というのも、受験の壁を乗り越えなければならないからです。
数学が超苦手なのに数Ⅲを受験しなければダメ、みたいな事になると志望校を下げざるを得ないとなりかねません。
理系科目が苦手だけど、理系に行きたい!と考えた人は、受験科目をしっかりと確認しましょう。
受験科目を考える際には、私立と国公立でかなり話が変わってくるので、それぞれ説明していきます。
受験科目はしっかりと確認する。
私立は逃げ道がある
理系を選んだ人の1番の難関として、数Ⅲがあります。
この数Ⅲが、理系と文系を分かつ最大の砦といったところではないでしょうか。
しかし、私立の場合、この数Ⅲを勉強しなくても受験できる学部が存在します。
薬学・農学・生物学・海洋系・看護・医療技術系・情報系などは数Ⅲを避けることができますし、理工学部系は少ないですが、少しはあります。
ここで細かく大学名を出すことはしませんが、『数Ⅲ いらない学部』などと検索すれば簡単に出てきます。
文系の場合も、例えば国語を受験せずに、英語と数学だけで受験できる大学が多く存在します。
このように、私立の場合、理系だろうと文系だろうと、苦手な科目をある程度避けて受験できます。
国公立も、ある程度は逃げ道あり
私立は逃げ道がある一方で、国公立はどうなのか。
実は国公立もある程度逃げ道は存在します。
私立と同様に、看護系であったり農学系・生物系など、理工学部以外の学部では数Ⅲを受けずに受験することが可能です。
しかし、他の理系と同様に、共通テストでは基礎でない理科を2科目勉強しなければなりません。
(個人的には、数Ⅲより理科の方が苦手克服のハードルは低いと思います。)
しかし、これはあくまで地方の国公立など、少しマイナーな大学に限られてしまいます。
旧帝大(東京・京都・大阪・名古屋・九州・北海道・東北)などの有名大学は理系であれば基本的に数Ⅲが必要です。
就職は学部より大学が大事!
さて、最後に就職のお話です。
皆さんも、理系や文系を考える時や、大学を考えるときは、ある程度将来の就職まで考える方が多いでしょう。
結論は既に述べている通り、就職は実際、学部よりも大学が重視されることが多いです!
ですが、もちろん特定の学部に行かなければ厳しい職業も存在します。
学部に左右される職業とは。
特定の学部に行かなければ厳しい就職先は以下の通りです。
医者・弁護士・公認会計士・研究者・メーカー研究職・(エンジニア)
上に挙げたような職業に就きたい場合は、 それぞれ決まった学部に行く必要があり、その場合は大学よりも学部を優先した方がいいです。
学部に関係した就職をする人の方が少ない?!
逆に、上記に挙げたような職業以外は、あまり学部は関係ないことが多いです。
例えばですが、工学部だからと言ってそのまま工学系の職業(自動車メーカー・化学メーカー)に就職するかと言うとそんなことはありません。
工学部や農学部から、銀行や政府系の職業に就く方も多いですし、逆に文系でも食品メーカーの営業職に就く方も多くいます。
また、プログラミング系のエンジニアと言った専門職強そうな職業ですら、情報系の学部でなくとも、独学で学びバイトなどで実装を学びながらエンジニアの職業に就く人もいるくらいです。
将来何がやりたいか分からなければ、有名大学に行くべし
学部と就職は、あまり関係ないと述べましたが、大学と職業は大きく関係してきます。
と言うのも、名の通った良い大学であればあるほど、就職の幅が広がるからです。
例えば、大手メーカーに就職する人は、多くが有名大学出身です。
銀行や官僚などのお仕事も、有名でない大学の経済学部より、有名大学の理系の方が採用されやすいです。
つまり、学部よりも大学名を見られることの方が多いと言うのが現実です。
特にやりたいことが分からない人は、後から選択の幅が広がるように有名大学をとりあえず目指しておくことを強くお勧めします。
そうして後からやりたいことができたときに、それを実現できるようにしておきましょう。
結論:特にこだわりがない人は得意な方を選ぶ
これまでの話をまとめますと、
科目の得意不得意と、理系や文系の不向きは関係ないことを伝えました。
なので、やりたいことがある方は、得意不得意に関係なく選べば良いと思います。
一方で、就職先は学部よりも大学名が関係します。
なので、やりたいことが特にない方は、とにかく点数を取りやすい方を選び、少しでも良い大学に合格できるようにするべきです。
国語や社会の方が得意で、数学が苦手ならば、おそらく文系受験の方がより良い成績を取れるでしょう。
その場合は文系を選ぶべきです。
少しリアルで現実的なお話でしたが、これらの現実も知っておくべきだと思います。
皆さんの進路の選択に少しでも役立てて頂けたら光栄です。