大学受験で僕が一番伸びた科目は何かと聞かれたら、ズバリ「現代文」と答えると思います。
僕は理系の生徒だったので、受験前は「現代文なんて勉強しなくてもある程度点数取れるし、なんかセンスないしまぁ良いか…」と思っていました。
この記事では、京大生の僕が、受験国語の勉強法や、気をつけたいことなどについてとことん詳しく説明したいと思います。
ぜひ参考にしてみてください!
また、こちらの記事も参考にしてください!同じ考えの高校生の皆さん、是非必見です!
目次(クリックでジャンプ)
現代文は勉強をすると点数が伸びる科目です
現代文の勉強法の前に、まずはモチベーションの上がる話題から。
現代文って、勉強するとびっくりするほど点数が上がります!
これはなぜかというと、周りが全然勉強しないからです。
文系の人に聞いても、「現代文は半分くらい勘で解いてたなぁ…」という人が結構いるのです。
だから、受験で現代文の勉強をしっかりとすれば、周りと圧倒的な差をつけることができるのです。
あと、覚えておいて欲しいことは、「現代文にセンスは必要ない」ということです。
当たり前ですが、現代文のテストがある以上、”正解” というのが必ず存在します。
それを見つける方法は記述するコツさえ掴んでしまえば、本来誰だって高得点を取ることができるはずなのです!
だから、
- どうせ勉強したって点数が上がらない
- センスがないから数学をやろうっと
なんて諦めないで、現代文でしっかりと点数をとるぞ!という気持ちを持って臨んでください!
現代文という科目について
それでは、まずは現代文という科目の特徴について説明します。
これを知っておくと、勉強のクオリティが1段も2段も上がります。
現代文こそ全ての科目の基礎である
まず、始めに知っておいて欲しいこと。それは、「現代文は全ての科目の基礎」だということです。
当然ですが、数学も物理も、問題文は全て日本語で書かれています。それを読み取ったり式にしようと考える時も、日本語がベースです。
また、英語を日本語に訳すときも、いくら内容がわかっていても、正しい日本語にしないと点数はもらえません。
このように、国語は全ての科目の基礎にあたるのです。
だから、某有名進学校は、中学校で入学した生徒に徹底的に現代文を叩き込むそうです。
さすがに現代文のドリルってやったことなかったのですが、そのくらい重要視されているということです。
現代文を制するものは、受験を制する、ということを覚えておいてください。
なんとなくをやめるところから始める
では、現代文の勉強ってどうやってやったら良いでのでしょうか?
これから細かくみていきたいと思いますが、ざっくりと押さえておいて欲しいポイントが1つあります。
それは、「なんとなく」をやめることです。
現代文の選択肢とかって、「なんでそれを選んだの?」って聞かれたら、「なんとなく」と答える人が多いと思います。
なんとなくで解答するということは、「どこで間違っていたか」がわからなくなります。
そうすると、キチッとした復習もできなくなるので “勉強” になりません。
なので、正解を選ぶ時には絶対に「理由」をつけるようにしましょう。
僕がよくやっていたのは、棒線部や選択肢に線を引いて、「これが間違っている」、「こんなことは書いてない」というふうにコメントをつけていました。
そして、答えあわせの時に確認をして、どうして間違えたのか?を徹底的に洗い出していました。
ちなみに、これをやっただけで点数が上がるという人もいたので、ぜひやってみてください。
現代文に必要な力は3つ
現代文の点数をとるために必要な力というのは、なんでしょうか?
「受験の現代文」に限って言えば、必要な力というのは以下の3つになります。
- 語彙
- 読解力
- 解答力
この中で、語彙は自分でどうにかする以外に勉強のしようがありません。
語彙をもっとやった方が良いひとの特徴としては、
- 小説よりも論説が圧倒的にニガテな人
- 文章を読むのにめちゃめちゃ時間を使う人
- 問題の半分くらいから何言ってるかわからなくなる人
こういう人は、ぜひ語彙をやってください。
特に、問題文が読めないという人はそのほとんどの人が語彙力不足です。(それだけが理由ではありませんが…)
例えば、英語を読もうとして読めなかったら、ほとんどの人は「単語を知らないからなぁ…」と思うと思います。
問題文が難しくて読めない!と思う人は、まずは語彙を鍛えましょう。
おすすめなのは、こういう問題集みたいなのを毎日コツコツやっていくことです。
(2024/12/03 15:34:13時点 Amazon調べ-詳細)
読書したり新聞を読む必要はある?
現代文の受験において、「読書をしたり、新聞を読んだ方がいい」という噂があるのを聞いたことがあるでしょうか?
僕も、高校1年生の国語の先生がこんなことを言っていたのですが、僕的には新聞や読書は全く必要ない、と思っています。
だって、受験で新聞の内容を聞いたりしてくることはないじゃないですか?
だから、テストの点数を上げたかったら、普通に問題集を解いたりすることをおすすめしますよ。
あとは、これは僕の考えなのですが、受験国語において「速読力はいらない」と思っています。
読書をすることで速読力が上がると言われていたりするようですが、速読力が必要になるシーンは受験ではありません。
まぁ、だからやりたい人は、読書とかは趣味や休憩として、楽しんでやってください。
現代文の勉強の仕方は問題を解くだけ
それでは、いよいよ現代文の勉強法を説明したいと思います。
といっても、タグに書いてあるように、端的に言って「現代文の勉強の仕方」は問題文を解くだけです。
現代文は勉強の方法は限られている
数学や物理といった教科は、公式を暗記したり基本問題を解いたりするのが一番最初のステップになります。
そうして、基礎問題→応用問題→発展問題 とレベルを上げていったりするのが、普通の勉強法になります。
ただ、国語はこういった「基礎的な」部分がありません。強いて言えば、「語彙」がそれにあたります。
だからこそ、現代文は「勉強の仕方がわからない」、「勉強しても点数が伸びない」とか言われるのです。
参考書のレベルをどんどん上げていこう
では、国語の勉強はどうやって進めたら良いかというと、ズバリ「問題集を解いて、その問題集のレベルを上げていく」ことです。
その代わり、一番最初は「簡単な」問題集からチャレンジしてみてください。
この方法は、高校1年生のときの英語の先生から聞いたものなのですが、僕は「中学校」の国語からスタートしました。
なぜかというと、国語の参考書というのは1冊あたりのレベルがほとんど変わりません。
なので、いきなり難しい問題集を買うと、1問も解けずに撃沈してしまう可能性があります。
また、難しすぎる問題を解いても、結局また「なんとなく」答えを書いてしまうので、あまり意味がないのです。
だからこそ、難しい問題から入らず、簡単な問題から入るようにしてみてください。
また、「国語がニガテでどうしようもない!」という人には、僕は講義形式の参考書をおすすめしています。
どの参考書がどんなレベルなのかは、こちらの記事をみてみてください。
現代文でも復習が大事です
他の教科と同様、現代文は復習が大事です。
とはいうものの、現代文の場合は「答えを覚えている」可能性があります。僕は間違えた問題はある暗記するくらいの感覚でいたので、問題を解いた3日後とかに復習をしても、意味がありませんでした。
そういう人はどうしたらいいかというと、ズバリ「忘れるまで問題を寝かせておく」ことです。
どんな問題か忘れた頃にもう一度解いて、前に解いた時とどう違うのかなどを調べていくと、自分の足りないところに気がつくと思います。
なので、選択肢の問題の場合は選んだ選択肢(とその理由も) 、記述式の場合は自分の解答をしっかりと保存しておくと良いでしょう。
現代文の勉強法はこれだ
それでは、現代文の勉強法について、いくつか説明したいと思います。
3つ紹介しますが、これは全部、僕が現役時代にやっていたものです。
このおかげで偏差値70をオーバーしたと言っても過言ではありません。
国語の成績を伸ばしたい人はぜひ真似してみてください。
音読に始まり音読に終わる
国語の勉強は、音読に始まり音読に終わる、と言った先生がいました。
その先生こそが、僕を偏差値70に導いてくれた恩師なのです。
音読は、「自分の目で見て、声に出して、それを自分の耳で聞く」という最強の勉強法です。
しかも、音読はわからないところがあるとつまづくので、「なんとなく」読み飛ばしてしまうことがありません。
周りに、頭がおかしくなったのではないかと言われたくらいでした。結構真剣に心配されましたね…
ただ、そのおかげで、文章を読むスピードが上がり、文章の構成が読み取れるようになりました。
音読は、できることなら1日に1問ずつくらいのペースでやることをお勧めしますよ!
全体の要約をしてみる
国語の勉強法で効果的だなと思ったのが、「全体の要約」です。
どういうことかというと、例えば一般的な現代文の問題はA4を3Pとか4Pとかですよね。
おそらく、これは平均で7,000語程度という計算になります。
これを、300語とか500語とかに要約するのです。
このくらいの文字数になると、文章の主題を理解して、それを自分の言葉で書き連ねないといけません。
これをすると、「いかに自分が文章を理解していないか」がよくわかります。
ぜひ試してみてください。
選択肢問題を記述式に解いてみる
選択肢の問題を記述式のように解答してみるのも、有効な勉強法です。
ぶっちゃけて言えば、記述式問題が完璧にできるようになれば、選択肢問題は楽勝にできます。
だから、どちらかとえば記述の方を優先して勉強してください。
このあと、選択肢の解答テクニックのようなものを紹介しますが、そうしたものはあくまでテクニックとして使ってください。
記述式は、ラッキーで当たることはありません。大切なポイントを盛り込みながらいかに文字数制限内でまとめることができるかという勝負になります。
なので、より深く「なぜ?」を追求しないと答えにたどり着くことはできません。
しかも、答えあわせの時に自分の考えたことがわかるので、どちらかと言えば復習のメリットも記述の方がデカいです。
選択肢(例えばセンター試験) の問題は、ぜひ答えの選択肢を作るつもりで、記述式のように答える練習をしてみてください!
現代文の解答テクニック集
「現代文の勉強法」に関してはここで終わりなのですが、受験の現代文には知る人ぞ知る「テクニック」があります。
これから、トクベツにそのテクニックを紹介していきたいと思います。
多分、塾とかでしか説明されないと思うので、メモ必須です。
選択肢は文節に分けて考える
これは100人の受験生がいたら、100人にやって欲しいことです。
どういうことかというと、上の図のように、問題文や解答の選択肢を文節や句読点ごとに区切って間違いを探すのです。
なんでこんなめんどくさいことをやるかというと、国語の問題の選択肢って全部「間違い」ってことはほとんどないんですよね。
間違いの選択肢は、一部だけが間違いで、それ以外は正解のことが多いのです。
だから、そういう選択肢をきちんと比較するという意味でも全体ではなく一部で比較をしていった方がより正解に近づくことができます。
どのように正解を吟味するかというと、上の図に書いたように、
- これは正しいことを言っている! = ○
- 微妙。正しいかどうかわからない = △
- 間違い・不正解 = ×
と印をつけていって、それらを比較して、一番「マシ」な選択肢を選ぶと良いでしょう。
これ、本当に点数が上がるテクニックなので、知らなかったという人はぜひ3ヶ月くらい続けてみてください。
こうやって文節に分けて考えていると、たまーに全部 “△” とかになったりします。
そうなると、「なんだ、国語って答えがないじゃん」とか思ってしまいますよね。
でも、国語の選択肢ってもともと「もっとも正解に近い」ものを選べと書いてあるはずです。
なので、一番 “マシ” と思えるものを選びましょう。
もしそれで間違えても、そしたらまた復習して、どうして自分が選んだ選択肢が間違えなのかを確認していきましょう。
「絶対」という言葉が使われていたら90%の確率で間違い
次は、本当に単純なテクニック。
選択肢の中に、次のような言葉が出てきたら、90% くらいの確率で間違えだと思ってください。
- 絶対
- 間違いなく
- 確実に
なんでかというと答えは単純で、「この世に “絶対” なものは少ないから」です。
例えば、「選挙には行った方がいい」というのは正しそうですが、選挙には “絶対に” 行った方がいいかというと、微妙ですよね。( “選挙に行かない” というのも、政治に対する1つの態度だからです)
だから、正しそうに見えても「絶対に〇〇した方が良い」などの選択肢はアヤシイと思っておいた方がいいです。
そもそも、論説文なんて、当たり前のことではなく、ちょっと変わった主張をしているものがほとんどです。(そうじゃないと、書く意味ないからね)
だから、
- 環境問題の解決こそが、何よりも重要だ
- 受験は合格しないと意味がない
- 男女の愛は永遠に続く
みたいな選択肢があったら、注意して読んでみてください。
理由を問う問題は「△△だから」を探す
国語の問題の出題パターンは、大きく分けて2つです。
- なぜ〇〇なのですか?(理由を聞く問題)
- △△とはどういうことですか?(言い換え問題)
このうち、理由を問う問題は、「〇〇だから」というような、理由を説明する箇所を探すようにしましょう。
- 〇〇だから…
- □□なので…
こういった言葉に注意しながら読み進めていきましょう!
これ、けっこう当たり前のことを言っているようですが、実際にセンター試験くらいのレベルまでだったらこれだけ頭に入れておけば大丈夫です。
理由問題では、解答を書いたあと、実際にそれを読んでみて、棒線部の理由が説明されているかどうかを確認しましょう。
高校生のテストの採点を昔していたのですが、読んでみて「明らかに間違いの」文章が書かれていることがあります。
例えば、「なぜ環境破壊が進んでいるのか?」みたいな設問の時に、「地球は丸いから」という答えはあり得そうにないですよね。
でも、多くの人が(よく読んでみると) こういった意味になってしまうような答えを書いてしまいがちです。気をつけましょう。
内容一致の問題は言い換えを探す
理由を問う問題の他に、内容を聞いてくる問題があります。「△△とはどういうことか?」というパターンです。
このパターンの問題では、とにかく言い換えの表現を探していきましょう。
- つまり、☆☆
- ▽▽とはどういうことかというと…
棒線部に対して使われるこうした表現を探して、平易な言葉に置き換えていくようなイメージです。
できれば、同じ学年の友達にわかるくらいの言葉で、その棒線部を説明するようにしてください。
ちなみに、文字数が制限されていない場合は、「言い換えたあと」の文章だけを読んでも意味が通じるようにしなければいけません。
うまくまとめる感覚は、参考書や問題集を通して身につけていくといいでしょう。
記述問題は要素をモリモリしていく感覚
記述式問題の採点はどういう形式で行われているかというと、加点方式です。
つまり、「答えとなる要素が盛り込まれていたら」、点がもらえます。
だから、記述式の問題の基本的な考え方は、「得点となりそうな要素や語彙をモリモリしていくこと」です。
例を挙げて説明したいと思います。
例えば、次のような問題があるとしましょう。
これは、先ほど紹介した「理由説明」の問題形式ですね。これの一番短い答えとしては、次のようなものがありますよね。
- ネットが普及したから
この場合、ネットという言葉が入っていたら加点、のような採点形式になる、という意味です。(ちなみに、これは適当に作った問題です)
この解答をどうやって点数を上げていったら良いかというと、これに肉付けをしていく感じです。
ネットが普及したから
↓
ネットの普及によって、メディアニュースにアクセスできるようになったから
↓
ネット普及によってメディアニュースのアクセスが容易になり、情報に対する姿勢が受け身になっているから
このような感じで、要素をどしどしと盛り込んでいくのです。
このあたりの感覚は、記述式の問題を自分で答えあわせしてみるとよくわかると思います。
感覚が掴めてくると、点数もかなり安定して取れるようになるので、ぜひ頑張ってみてください!
論説では、論理の流れを追うことが大事
「論説文が読めない!」と思っている人にぜひやって欲しいこと、それは全体の流れを掴むことです。
論説文とは、筆者の言いたいことがあって、それを理由を付けながら語っていくというスタイルがほとんどです。
例えば、流れの例としては次のような感じです。
- 導入
- 問題提起
- 筆者の主張
- それを支える根拠その1
- それを支える根拠その2
- 反論と、それに対する意見
- 結論
大切なことは、このような大雑把な流れを掴んでおくことです。そうすることで、「今は大体こういうことを言っているんだな」という大局観を持って理解を進めることができます。
英語では、よくパラグラフリーディングのようなことをやっていると思います。パラグラフごとに言いたいことを掴んでいくあの読み方です。
論説文も、ああ言った読み方をすることでよりわかりやすく読むことができるので、ぜひ試してみてください。
小説では心情の変化が大切
他方で、小説では、論理のキチッとした流れというものがないことが多いです。
では、何に注目すればいいかというと、「心情の変化」です。
小説の大雑把な流れは次のようなものです。
- 始まり
- 事件的なものが起こる
- 主人公やその周りの人たちの心情の変化
例えば、めちゃめちゃよく出てくるシチュエーションが、喧嘩中のカップルの話。これを例にとると、
- どうして喧嘩したのか
- それについてお互いがどう思っているのか
- 最後はどのようにして解決したのか?
というような設問が用意されます。
この意識を持っておくと、心情が変化したスイッチであったりとかに対して、敏感に読むことができます。
小説は理由が書いてない!という意見を持った人がいますが、それは単に「論説文とは違う形で描かれているだけ」ということを覚えておいてください。
ちなみに、カップルが喧嘩している時は、よく雨が降っていて、仲直りするときは晴れた空の描写があることが多いです。
これは偶然ではなく、空という風景を通じて主人公の気持ちの変化を表しているのです。
このように、小説=心の変化 ということを覚えておけば、筋の通った読み方ができるのです。
最後に:国語は点数が上がる教科です
以上、国語の勉強法でした。
大切なことなのでもう一度繰り返しますが、国語は「勉強したら必ず点数が伸びる」教科です。
僕がいうだけでは、もしかしたら信じられないかもしれませんが、自分の点数が実際に上がったらもう信じるしかないはずです。
そのために、まずは3ヶ月ほど頑張ってみてはいかがでしょうか?
現代文は積み重ねが大切で、いきなり「ドン」と伸びることはないと思いますが、3ヶ月もあれば確かな成長を感じることができるはずです。